皆さんは、7月22日の(皆既)日食はご覧になったでしょうか。皆既日食の観測に最も適した南の島々では天候が悪く、残念ながら太陽すら見えなかったと聞きました。名古屋でも空は厚い雲に覆われていましたが、ほんの数秒間だけ、雲の切れ間から太陽が顔を出す瞬間がありました。その瞬間の写真がこれです。
今回、名古屋では部分日食でしたが、実は、私は、10年前に皆既日食を肉眼で見る幸運に恵まれたことがあります。それは、1999年8月11日、私がスウェーデンに住んでいたときのことです。そのときの写真がこれです。
もちろん、皆既日食を見るのは人生で初めてのことで、その瞬間を今か今かと興奮しながら待っていました。幻想的なダイヤモンド・リングの瞬間には、本当に感動しました。あまりに感動して、写真を撮るのを忘れていたため、この写真1枚しかありません。
今回の日食のテレビ中継でも言っていましたが、太陽が欠けるにつれて、少しずつ暗くなっているはずですが、我々人間の目には、残り10分の1くらいにならないと暗くなったという実感がなく、そこから先は一気に夕暮れのような暗さになります。しかし、普段の夕暮れとは異なり、言葉ではうまく現せない、異様な雰囲気になります。それまで静かだった鳥たちが、街中でいっせいに騒ぎ出し、幻想的な雰囲気を一層盛り上げていました。