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> ベランダ釣竿アンテナを改良しました(本編)
昨年の12月に予告編を投稿してから、9ヶ月も過ぎてしまいました。

今回は、私が今までに使用した3種類の HF 用ベランダ釣竿アンテナについて、少し詳しくご紹介させて頂きます。リグは IC-706MKIIG or IC-703、オート・アンテナ・チューナーは AH-4 を使用しています。以前の記事もご参照下さい。


① ループ・アンテナ

ベランダの柵が接地していないため、最初は「アースが不要」という単純な理由で、ループ・アンテナ(以下、ループと表記)を選択しました(アパマンハム・ハンドブック p112 参照)。
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グラス・ファイバー製の釣竿(2.7m)2本をベランダから平行に振り出し、釣竿に沿ってエレメントを固定しました。ループの周長は 12.7m となり(単なる偶然です)、7-50 MHzできれいにチューニングを取ることができました。オンエアするときだけ釣竿を伸ばしてベランダの外に出し、普段はアンテナ全体をベランダ内に収容しました。

アパマンハム・ハンドブックには、「3.5 MHz でチューニングを取るには、ループ周長 10m が目安」と記載されていますが、この周長 12.7m のループでは、3.5 MHz でチューニングを取ることができませんでした。一般には、ループは目的周波数の 1/4 波長の周長が必要とされています。

3.5 MHz にもオンエアしてみたくなった頃、偶然にも、ICOM のサポート・センターから以下の情報を得ました。
(1)ループで AH-4 を使用する場合、最低でも周長 30m が必要。
(2)さもないと、AH-4 に過剰な負担がかかり、故障の原因となる。
そこで、ループからロング・ワイヤー・アンテナ(以下、LW と表記)へ変更する決心をしたのです。


② LW ver.1

周長 12.7m のループは 7-50 MHz できれいにチューニングできたことから、LW も同じ 12.7m から試すことにしました。要するに、AH-4 のアース端子側に接続していたエレメントを外して、何も深く考えずに(笑)、先端を釣竿に固定し直しただけのことです。ループのときは4辺で固定していた 12.7m のエレメントを、この LW ver.1 では3辺で無理矢理に固定したため、全体が「ハの字型」になり、しかもエレメントが弛んでいます。
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LW の場合は良好なアースが必要ですが、ベランダの柵は接地していないため、AH-4 のアース端子にカウンター・ポイズを接続してベランダの床に広げ、容量結合で鉄筋に接地しました。

ICOM のサポート・センターに相談したところ、「カウンター・ポイズとエレメントの長さを正確に同じにすることが、最も AH-4 に負担をかけない方法」とアドバイスを受け、12.7m のカウンター・ポイズ10本をなるべく均一になるようにベランダ一面に広げたところ、期待した通り、3.5-50 MHz でチューニングできるようになりました。見栄えの悪いカウンター・ポイズは、100均で購入した人工芝で隠して完了です。
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ベランダの掃除をするときは、一面に広げたカウンター・ポイズを一旦片付けて、掃除が終わった後で再度広げるのですが、カウンター・ポイズの広げ方が異なると、あるバンドでチューニングできなくなることがあります。容量結合の状態の変化が原因であることは想像できますが、どのように広げたら良いのか目で見てもわからないため、とにかく適当にやってみるしかありません。広げ方を変えたら別のバンドでチューニングを取ることができなくなり、もう一度広げ直したらまた別のバンドで、、、などと、イタチゴッコになったことが数回あります。

理論的に正しいのか不明ですが、エレメントとカウンター・ポイズの長さが同じでも、カウンター・ポイズの広げ方次第で(ベランダの掃除をする度に)、各バンドの「飛び」が少し変わります。(良くなるバンドもあれば、悪くなるバンドもあります。)


③ LW ver.2

2010年の秋に LW ver.1 から LW ver.2 にメジャー・チェンジし、現在も LW ver.2 を使用しています。

メジャー・チェンジのきっかけは、ループのときから釣竿の固定に使用していた「物干し竿掛け(正式名称は何?)」の足が壊れたことです。アンテナをベランダから出し入れする度に足の部分に力が加わったためか、根元の溶接部分が壊れてしまいました。新しい物干し竿掛けを購入することは簡単ですが、自宅まで持ち帰るのは一苦労です。また、歳とともに怠け者になっていく私は(笑)、「室内からローテーターを操作して釣竿アンテナを出し入れしたい」と考え始めました。
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ベランダの幅から釣竿の長さは最長 3.6m という制限があり、また、前述の通り、エレメントの全長12.7m にもこだわりがありました。試しに 3.6m のグラス・ファイバー製の釣竿に 12.7m のエレメントを等間隔で巻きつけてみたところ、1ターンの間隔が数 cm になりました。「1ターンの間隔は最低でも 10cm 以上必要。それ以下だとコイルとして動作してしまう。」と、どこかで読んだ記憶があったため、仕方なく(?)、写真のように約 20cm おきにエレメントを釣竿からぶら下げるように固定してみたのです。最初は、「こんな固定方法で本当に電波が飛ぶのか?」と疑心暗鬼でしたが、意外にも、ループと LW ver.1 をしのぐ性能が得られました(後述あり)。

さらに、LW ver.2 には、想定外だった特徴が2点あります。50 MHz のモービル・ホイップを使用していたときは、ローテーターで角度を変えると、S にして2〜3違うことが多々ありました。

しかし、LW ver.2 では、ローテーターで大きく角度を変えても、シグナルの強さはほとんど変化しません。その理由は全く不明です。現在は、常にベランダから垂直の角度で使用しています。角度を気にしなくて良いのは、楽と言えば楽なのですが、多少は指向性が出ることを期待していただけに、これは残念な結果でした。また、LW ver.2 では、ループと LW ver.1 が苦手としていた建物の反対側の方向に対しても、送受信性能が大幅にアップしました(後述あり)。

LW ver.2 へのメジャー・チェンジの際、調子に乗って(笑)、長年の夢であった 1.9 MHz にも挑戦することにしました。
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直径 9cm のペットボトルに直径 2mm のビニール線を40回密巻きにしたコイルを AH-4 とエレメントの間に挿入したところ、1.8-1.9 MHz でもチューニングできるようになりました。コイルを挿入した状態では 7 MHz 以上でチューニングを取ることができないため、シャックからリレーを操作して、コイルの ON/OFF を切り替えています。


④ ループ、LW ver.1、LW ver.2 の比較

国内 QSO: LW ver.2LW ver.1 > ループ
DX QSO: LW ver.2ループ >> LW ver.1
ノイズレベル: ループ << LW ver.2 < LW ver.1

おそらく、ループは打ち上げ角が低く DX 向き、LW ver.1 は打ち上げ角が高く国内向きと思われます。LW ver.2 は、国内、DX の両方で、送受信ともにベストの性能です。その詳細な理由は不明ですが、他のアンテナよりもエレメントが鉄筋の建物から離れていて、鉄筋の影響が少ないのではないかと想像しています(後述あり)。ループがノイズに強いのは定説通りでした。


⑤ 実験で使用した仮設 LW

JA7QIL 局作製のアンテナ・チューナーの実験(モニター)をするために、写真のような LW をベランダに仮設したことがあります。実は、この仮設 LW こそが、今までに使用したベランダ釣竿アンテナの中で最高の性能でした。
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全長 10m のグラス・ファイバー・ロッド(PG-ANT-100)をベランダの柵に仮固定し、10m のビニール線を沿わせてエレメントとしました。カウンター・ポイズは、エレメントと全く同じビニール線3本を、適当にベランダに投げ出しただけです。

ところが、この仮設 LW は、国内、DX ともに、LW ver.2 よりも数段優れた性能を示しました。見るからにいい加減な仮設アンテナですが、常設の釣竿アンテナには見られない大きな特徴があります。それは、エレメント(の先端)が鉄筋の建物から遠く離れていることです。

鉄筋の影響が少なくなれば、それだけ電波の放射効率も良くなり、また、エレメントが建物から離れることによって、建物に遮られていた反対方向のシグナルも強く入感するのではないかと推察しています。

しかし、この仮設 LW をベランダに常設するのは、かなり無理があります。このグラス・ファイバー・ロッドは、本来は移動運用のために設計されたものであり、垂直に立てて使用することを前提としています(と思います)。全長が 10m もあるため微風でも全体が大きく揺れ動き、ベランダから水平に振り出すのは危険極まりないと感じました。


⑥ ベランダ釣竿アンテナは面白い!

当たり前ですが、ベランダ・アンテナは、ベランダに一歩出るだけで手が届きます。つまり、簡単に「ちょっと試してみる」ことができるため、改良しようとして失敗しても、すぐに元通りに復元できます。「アンテナは失敗しても面白い」と考える私には、ベランダ・アンテナは絶好の実験材料です。


⑦ 3種類のベランダ釣竿アンテナの成果

すべて QRP CW による運用です。これを頂いたときには感動しました。
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by jg2gsy | 2013-09-06 00:00 | ベランダ・アンテナ

50 MHz も大好き!
by jg2gsy